農家型住居
Case Study 01
京都研究所の研究は、単なる記録や保存に留まりません。日本各地の現場(フィールド)で集めた知見を、現代の暮らしに息づく、機能的で価値あるものへと昇華させていくこと。それが本研究所の役割です。
その思想を体現する最初の舞台として、京都にある築200年の古民家を再生いたしました。当時の自然素材にこだわり、伝統技法を復元したこの空間は、思想をそのまま形にした「最初のケーススタディ」です。また、この場所は完成された記念碑ではありません。日々変わりゆく時代や新たな問いに寄り添いながら、常にアップデートを重ねていく「終わりなき実験室(Work in Progress)」でもあります。
マテリアル・アーカイブ
京都研究所のマテリアル・アーカイブは、伝統素材と、その原料となる天然資源のコレクションです。日本全国での日々のフィールドワークを簡潔に共有し、多種多様な伝統素材の閲覧を通じて、個々のプロジェクトへの応用に繋ぐ場となります。
テスト・キッチン
京都研究所のテストキッチンは、日本の食文化における伝統素材を探求する専用のフードラボラトリーです。暮らす場所を問わず、現代の台所においてこれら素材が日々の暮らしをいかに豊かにするかを検証します。
活動の中心にあるのは伝統素材。何世紀にもわたり培われ、洗練されてきた伝統的な食材や技術は、味覚だけでなくコミュニティや職人技を体現する「生きた知識」です。
目指すのは保存ではなく、発酵。これら食の伝統素材がいかに時代とともに進化するかを追及します。活動の基盤は、日本列島各地でのフィールドワーク。各コミュニティの住民や食のプロフェッショナルへのインタビュー、テロワールや社会システムの評価、伝統的な道具や技術の記録。現地で採取・収集した成果を持ち帰り、キッチンでの実験や教育カリキュラムへと繋ぎます。
また、テスト・キッチンを舞台に、京都大学と共に「Food Lab」を設立。現在、日本の伝統食材や技術を今の暮らし、そして今後の暮らしの中で活かす方法を実践的に探求しています。
ミッション
すべての活動は、日本列島の現場から始まります。その土地固有のテロワール(風土)を読み解き、小さな集落に深く入り込み、消えつつある技術や日常の営みを記録する。そこで得た生きた素材やインスピレーションを京都のラボへと持ち帰り、キッチンでの実践や教育カリキュラム、そして現代社会へ機能する価値へと昇華させていきます。